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コラム

グァテマラよもやま話 その11 DT50壊れる


2021.05.10コラム


YAMAHA DT50は素晴らしいマシンですが、何しろ悪路を走ることが多いので、たまには故障します。

 

一番多かったのはパンクです。ガタガタ道を走る以上パンクは避けられないことですので、いつでも修理セットをバイクに括り付けて移動していました。最初のうちはチューブの補修が億劫でげんなりしていましたが、最後の方は手慣れてきて、タイヤのゴムを外す→チューブの穴を見つける→パッチを貼る→チューブとタイヤをはめる→空気を入れる、という一連の工程を、それほど時間をかけずに済ませることが出来るようになりました。

 

それでも、チューブが劣化していたのでしょう、一日に3回パンクしたときは、さすがに嘆きました。とくに3回目のパンクは夕方薄暗くなってからで、懐中電灯を持っていなかったので、結構焦りました。割と家が近かったので、修理しないままゆっくり走って帰宅したように記憶しています。それ以降、チューブの予備も持ち歩くようにしました。

 

次に多かったのは、チェーンが外れることです。ガタガタ道を走るので、チェーンが弛みやすく、スプロケットも摩耗しやすいのでしょう。チェーンが外れると、エンジンの推進力が車輪に伝わらないので急に勢いがなくなり、車で言うとニュートラルでアクセル踏んだときの空ぶかしの音や、外れたチェーンがスプロケットに絡みつくガチャガチャいう嫌な音がして、なんとも冴えない気分になります。

 

この場合は、後輪のシャフトをずらして外れたチェーンをスプロケットに嵌めればいいので、多少の力作業ではありますが、慣れればどうってことはありません。ただ、一度、暑いので腰に巻いていたシャツの袖がスプロケットに絡まって、スプロケット自体が歪んでしまったことがあります。スプロケットの予備なんて持ち歩いていないので、交換はできません。分解して布切れを取り除いたあと、歪んだスプロケットを装着し、チェーンが外れないよう、ギャップを避けながら慎重にゆっくり走って帰りました。

 

エンジン系統では、プラグがかぶってエンジンがかからないことはしばしばありました。この場合は、プラグを外して布で(なければ指で)拭いて汚れを取り、それでもダメならキャブレターを調整し(標高が高くなると空気が薄いので相対的にガソリンが濃くなる)、それでもダメなら押しがけします。一度、標高3000メートルほどの砂の深いヘアピンカーブの連続する峠道でエンジンがかからなくなり、ひぃひぃ言いながら押して登ったことがあります。あのときはきつかった・・・

 

幸い、こけてブレーキレバーが折れたり、フロントフォークがひんまがって走行できなくなるなど、修理できないトラブルになったことはありませんでした。こけたとき、自分の身体に傷ができても、バイクが壊れていなければ、心からホッとしていました。一度、路駐している車を抜かそうとして真横に来たとき、いきなりドアが開いてぶつかり、そのまま転倒したことがあります。膝を打ってものすごく痛かったのですが、バイクは動いてくれたので、ビール瓶を片手にふらふら出てきた運転手に散々悪態をついたあと、膝をじんじんさせながら帰宅しました。フロントフォークは多少歪みましたが、何とか走れたので良かったです。

 

地味に危険なのは、雨上がりのぬかるみです。非常にハンドルが取られやすく、こけたら泥まみれでえらいことになるので、両足のつま先を地面につけてバランスを取りながら、ゆっくり進みます。それでも、道全部が水溜まりになっていて足をつける場所がないときには、神様お願い、などと祈りながら進みます。スピードを出し過ぎると、泥水に隠れて見えない石にぶつかってこけるかもしれず、さりとてあまりゆっくり進むと、泥でタイヤがすべってこけるかもしれず、速度づくりは簡単ではありません。

 

そういった難しい部分もありますが、我がDT50は、多少の悪路はものともせず、どこにでも私を連れて行ってくれました。あの子のおかげで見られた景色の美しさ、感じられた風の心地よさに、心から感謝しています。

 

 

続く

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