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コラム

グァテマラよもやま話 その8 カミオネタの旅


2021.04.08コラム


グァテマラでは、中長距離の移動の際、カミオネタというバスを利用します。私もよく乗りました。かなりの時間をカミオネタの中で過ごしたので、印象に残っています。

 

カミオネタはボンネットバスで、在沖米軍関係のスクールバスと同じような形とサイズです。色は、沖縄でも見かける山吹色ベースのものや、緑に赤の隈取みたいなのが入っているものなど様々で、派手めのペイントが多いです。

座席がより上等で顔が平らなプルマンというバスが走っている路線もありますが、多くの中長距離路線ではカミオネタのみが走っています。

 

カミオネタの座席は、つるっつるのビニールコーティング、約2名分の幅で前向き・左右一座席ずつ並んでいて、時々ガムテープなどで穴が補修されています。パーツが壊れているか無くなったのでしょう、座面が固定されていないこともあります。座席指定などなく、早い者順なので、状態のいい座席から埋まります。また、山岳地帯ではカーブが多いうえ、カミオネタの運転手はカーブで大きく減速することを好みません。ですので、壊れた座席に座ってしまったとき、ずっこけないためには目的地まで踏ん張り続ける必要があります。壊れすぎて座面からバネが出てくることもあるので、不用意に座らない注意も必要です。

 

混んでくると、車掌の采配により、中央の通路側に半分だけ座席にお尻を乗せる人が出てきます。一席2名の定員が2.5名に増える、ということです。残り半分のお尻は宙に浮いているのですが、左右の座席にそれぞれ半ケツの人がいるため、お互いの身体の側面の圧力により、意外と安定して座り続けることができます(密着するので汗はかきますが)。

 

今、さらっと登場しましたが、カミオネタには車掌がいます。この車掌は、料金徴収、座席のコントロールのほか、故障時の修理、停車時の売り子のコントロールなど、様々な任務があり、なかなか大変です。

一口に料金徴収と言っても、カミオネタは事後精算方式で、乗車時には切符を買わず下車時に料金を支払うので、誰がどこで乗ったのか記憶する必要があり、簡単ではありません。それに、乗客は乗りたい場所で手を挙げて乗り、下りたい場所で合図(大声で叫ぶか、下りたい旨を前の乗客を使って順次伝えてもらうか、カミオネタの天井をバンバン叩く)して下りるシステムなので、どこからどこまででいくらになるか、瞬時に計算しなければなりません。

券売機も両替機もないので、釣銭も十分用意しなければなりませんが、この点は乗客側で配慮が必要です。高額紙幣しか手持ちがない場合、途中で売り子からジュースなどを買ってくずせればいいですが、売り子もたいして釣銭を用意していないので、途中でくずせなければ多少の釣銭は諦めることになります。もっとも、料金は安いので、ダメージはないです。

 

売り子は、いくつかある停留所で待機していて停車中にトイレや買い物に下りてくる客を相手にする者と、商品を詰め込んだ籠を抱えて乗ってきて、発車後ひとしきり売ってからどこかで下車する者がいます。暑いので、冷たい飲み物は人気です。飲み物はビニール袋に入れ替えて持ち歩くことは、以前お話ししたとおりです。食べ物は、スナック菓子、ナッツ類、パン、バナナなど様々ですが、私はカシューナッツが好きでした。ひと袋10円しないぐらいです。昼食時間にはタマーレスなども売っていますが、運転手が食事休憩を取ることもあり、そういうときは私も食堂でポジョフリートなど食べていました。

取り扱っている商品はどの売り子も似たようなものですが、掛け声の節回しや表情に個性があり、自分の好みに合うとつい買いたくなります。スタジアムで生ビールを買うときの感じですかね。

 

続く

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