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グァテマラよもやま話

グァテマラよもやま話 その1 前置き


2021.02.03グァテマラよもやま話


私は、26歳から28歳にかけての2年余り、青年海外協力隊員として中米のグァテマラに派遣されていました。

 

グァテマラといっても、みなさん思い浮かぶのはコーヒーぐらいでしょうか。歴史に詳しい方は、マヤ文明の栄えた土地であることをご存じかもしれません。私自身、自分が派遣されることになるまで、グァテマラ(を含めた中米全体)は世界で一番自分と縁遠い地域だと思っていました。ほとんど予備知識がないまま現地で生活を始めたので、すべてが新鮮でした。

 

私は今でこそ50か国ほど旅して回っており、外国に行くことには慣れていますが、当時はまだ若かったし、外国に住むことはグァテマラが最初(で最後)でしたので、しばらくは勝手がわからず苦労しました。その分、とても印象に残っています。

 

また、青年海外協力隊員は、現地の方の生活向上などのための活動をしに行くわけですが、途上国の生活向上のための知識も経験もない日本人が何か成果を上げようとしても、そううまくいくものではありません。私も、思うように現地の方の役に立てず、ままならない思いを抱えて生活していた分、ちょっとしたことでも心に刺さっていました。

 

では、前置きはこの程度にして、まずはグァテマラについて簡単に紹介します。

 

グァテマラは、メキシコのすぐ南隣りにあります。大きさは、北海道と四国を合わせたより少し大きいと説明されますが、北海道と四国を合わせることなんてできないので、そんなこと言われてもよくわかりませんよね。まあ、日本よりはだいぶ小さいけど、そんなにちっぽけでもない、という感じでしょうか。

 

日本からは、アメリカかメキシコ経由で入ります。乗り継ぎ時間を合わせると、20時間かそれ以上かかります。首都グァテマラシティにある国際空港は、市街地にあるので、アクセルはとてもいいです。タクシーでぼったくられたとしても、目的地まで近いので、大した金額にはなりません。

 

国土は、海岸地帯、山岳地帯、ジャングル地帯に分かれます。熱帯にあるので、海岸部やジャングル地帯はとにかく蒸し暑いです。一方、山岳地帯は気温の日格差が大きく、昼と夜とで20℃ぐらい違う感じです。夏場は、寝るときはまだ結構暑いから布団をちゃんと掛けずに寝ますが、夜中になると寒くて目が覚め、毛布をたぐり寄せる、という感じです。1年ぐらい経つまで、なかなか熟睡できませんでした。

 

ちなみに、熟睡できないのにはもうひとつ理由がありました。グァテマラは、蚊も多い(なのでマラリアやデング熱といった病気も多い)ですが、ダニなども多く、なかには皮膚の下に住み着いてしまう虫もいます。こいつらにやられると、とても痒くて、刺されたところを掻いている自分に気づいて夜中に目が覚める、という日々でした。でも、それも1年ほどすると慣れて、朝まで眠れるようになりました。人間の順応力ってすごいです。

 

続く

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