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グァテマラよもやま話

グァテマラよもやま話 その10 DT50で村巡り


2021.04.27グァテマラよもやま話


私の普段の足は、事務所から貸与されたYAMAHA DT50というオフロード仕様のバイクでした。50ccなのでパワーはそんなにないですが、グァテマラの環境では非常に使い勝手の良いマシンでした。

 

私の住んでいたサラマや周辺のサンミゲルチカやラビナルの町中、隣のサンへロニモまでの道など一部を除いて、バハベラパス県内の道は未舗装です。路面は日本の荒れた林道みたいな感じで、たまに大きめの石が顔を覗かせています。雨季にはスコールの影響で、道に大きな亀裂やひどいぬかるみが生じます。活動先の村に行くには、こういったガタガタ道を走るので、走行には非常に注意を要します。

 

坂道の勾配もかなり急なところが多く、20%を超える急坂も珍しくありません。しかも砂利道だったりすると、相当加速をつけて登坂しないと途中で登れなくなります。最初はひいひい言いながら押して登ったり、下りの急カーブで砂利にタイヤを取られてこけたりしました。痛い思いを何度か重ねるうちに慣れてきて、うまく運転できるようになりました。

ラビナルに行く途中、峠を越えるのですが、谷底に何台か車やカミオネタが落っこちていて、そのまま放置されていました。引き揚げる術もないのでしょうが、通るたびに肝を冷やしていました。

村までの道には、それほど危険な場所はありませんでした。ただ、村の中には、人が歩ける程度の幅しかない道があったり、道の周囲に有刺鉄線の柵が設置されていたり、溝が切られていたりします。そういう道では、石を踏んでこけないよう、気を付けていました。

 

また、ある村では、メインの吊り橋が落ちてしまい、川の向こう岸に行くには幅1メートルもない木製の吊り橋を渡るしかなく、自分が通るときには落ちないでくれーと祈りながら通っていました。川を歩いて渡れることもありますが、雨季に増水すると腰より上まで水位が上がり、私の技術だと徒歩では水圧に負けて流されてしまいます。やむを得ず細い吊り橋を行くか、逆に村の人に来てもらうかしていました。なお、村人は、落ちた吊り橋のワイヤーに捕まって横歩きで渡ったりもしていました。

 

集落内では動物を放し飼いにしています。牛の場合、夜は有刺鉄線を張った柵の中に入れるのですが、牛の逃亡あるいは盗難の防止のため、3本の木の棒を三角形に組んだかなりでかいものを首にはめ(私は首輪と呼んでいました)、棒の両端の出っ張った部分が有刺鉄線に引っかかるようにしています。日中も首輪は外しません。

この首輪の出っ張った部分が、バイクで牛の横を通るとき、非常に邪魔です。牛は普段はおとなしくしていて、バイクが来るのがわかると道を譲ってくれます。それでもバイクの音に驚いて急に動くこともなくはないし、路肩が落ち込んでいて回避するスペースもないので、なるべく牛を刺激しないように通り過ぎていました。

豚は首輪をしていませんでした。首がないからかな。ただし、豚は牛と違って地面に寝そべったまま道を譲ってくれないことが多く、こちらから避けていました。たまに、キミ危ないよ、と伝えるため、通りすがりにちょいと蹴とばすと、ぶひーと鳴いて逃げていました。

馬やロバはおとなしくて安全でしたね。ノーケアでした。

ニワトリは逃げ足が速いし、ちゃんと逃げてくれます。ただ、たまにパニックになるのか、いったん逃げたのが急に近寄ってきたりするので、注意が必要です。

犬も多いです。番犬としての使命感の強い真面目な犬は、きちんと吠え立ててくるし、油断すると噛みつこうとしてくるので、注意が必要です。

 

村では、路面に注意するだけでなく、こういったトラップも避けなければなりません。

 

続く

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