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グァテマラよもやま話

グァテマラよもやま話 その19 イグアナ


2021.06.18グァテマラよもやま話


グァテマラは熱帯に属するので、当たり前ですが、日本とはだいぶ違う生き物がいます。イグアナもそうです。

 

イグアナは、けっこう大きいトカゲです。測ったことはないですが、成獣だと頭から尻尾の先まで50㎝以上、ひょっとすると1m近くあります。顔はごつくて、背びれみたいな棘状の突起がたくさんあり、爪は長くて鋭く、見た目は小型の恐竜そのものです。

このイグアナ、私の住んでいた地方では見かけませんでしたが、海岸地方に行くと、そこらへんにいました。飼われているイグアナもいるでしょうが、野良イグアナもいます。歩いていて、あんなのが急に道端に現れたら、そりゃびびります。でも大丈夫。イグアナはおとなしい生き物なので、こちらから彼らの機嫌を損ねない限り、彼らから襲ってくることはないようです。たぶんですが。だいたい、イグアナは動かないでじっとしていることが多く、見かけても、生きているんだかオブジェなんだかわかりません。とは言え、万が一噛まれたら相当痛そうです。見かけたら、彼らを刺激しないように、遠巻きにして静かに通り過ぎるのがよろしいかと。

 

私はイグアナを食べたことはありません。現地の人の中には、イグアナを食べる人もいるかもしれませんが、話を聞いたことはありません。しかし、イグアナの卵を人が口にすることは、割と見かけます。ウミガメの卵と称されて売られているのですが、どうやらイグアナの卵のようです。

イグアナの卵は、ピンポン玉ぐらいのサイズで、ほぼ球状、白色です。殻(というか厚手の皮)は柔らかく、手で破れます。食べ方は、生のまま殻を指で破り、オレンジジュースに落として混ぜて飲む、というものです。朝の路上のオレンジジュース売りの屋台で、イグアナの卵もセットで売っているのをたまに見かけました。

美味しくなさそう、と思った方、鋭いです。グァテマラ特産のオレンジジュースのフレッシュな酸味や甘さと、イグアナの卵の生臭さとは、どうにもミスマッチです。イグアナの卵は精力剤と考えられていて、それで朝から飲まれるのですが、グァテマラ人、あれを美味しいと感じているのかな。私も、元気が出るのかなと思って飲んでみて、元気が出たようにも感じましたが、それ以上に生臭くて後味が悪かったので、まあプラスマイナスゼロでした。試したのは1回だけです。

 

話は逸れますが、鶏卵って、安くて美味しい、素晴らしい食べ物ですよね。日本では、ごく当たり前に生卵をごはんにかけて食べることができますが、これって世界的に見て相当珍しいことなんですよ。食文化の要素が大きいように思います。グァテマラでもニワトリは飼われていて、村でも新鮮な鶏卵を入手できますから、生卵を食べようと思えば食べられます。しかし、大抵は油の海に割って落として、揚げ卵みたいにして食べます。鮮度も何もあったものではありません。日本人で良かったと思える部分ですね。

 

イグアナの卵以外で変わったものというと、アルマジロを食べたことがあります。攻撃を受けると、防御のために身体を丸くする奴です。味も見た目も、ほぼほぼ鶏肉で、鶏肉よりはちょっとぱさぱさした感じでした。脂身もなく淡白な味なので、まずくはないですが、美味しくもなかったです。現地の人は、他にも、捕まえたものは大抵食べるようで、ムササビが美味しかった、という話を聞いたことがあります。

 

あらためて考えてみると、牛肉とか豚肉とか鶏肉とか、私たちが普段から食べている肉って、飼育しやすいこともあるかもしれませんが、他の肉と比べて美味しいから頑張って飼育されてきたのでしょうね。先人たちの頑張りに感謝です。

 

続く

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