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海外の旅

海外の旅の話 その14 シャワルマ&マカビー


2022.12.01海外の旅


イスラエルでは、シャワルマをよく食べました。羊肉や鶏肉の大きな塊を串に刺した状態で縦に回転させて焼き、削いで食べるもので、トルコのドネルケバブと同じ感じのものです。今は日本でもケバブ屋さんが増えているので、見たことがある方も多いかと思います。

スブラキもよく食べました。一口大の肉の串焼きで、ロシア語だとシャシリク、トルコ系だとシシカバブとも言います。これらのお肉を、付け合わせの野菜と一緒に、直径20センチほどの薄くて丸いパンに挟んで食べるのですが、他は何も要らないぐらい美味しかったです。こういった一種の軽食ばかり食べていたので、店内で座っていただくようなちゃんとした料理を食べた記憶がありません。

飲み物ですが、酒好きな私たちはビールを毎日飲んでいました。銘柄は、モンドセレクションの受賞歴もある、マカビーが有名です。最近ではサッカーのチームも聞きますね。ただし、街中でビールを飲んでいる人の大半は、私たちのような旅行者で、現地の人は宗教の戒律をきちんと守っているのか、ビールを飲んでいる姿はあまり見かけませんでした。

ノンアルコール飲料では、ミントティーをよく飲んでいました。ミントの葉っぱ詰め放題ですが、そこまで刺激的な味ではなく、渋くもなく、ミントの良い香りが鼻に抜けて、とても美味しかったです。現地の方もよく飲んでいた記憶です。

 

金曜日は、夕方以降人出がぱったり止まり、やたらと静かになります。お店も大抵閉まります。ユダヤ教の安息日が土曜日だからで、土曜日は全然お店が開いていません。金曜日の早い時間に水や食料品を調達しておかないと、土曜日に何も飲み食いできず、えらいことになります。宗教の戒律がきちんと守られている暮らしは、日本人の私にはとても新鮮でした。

当時は、ソビエト連邦が崩壊し、それまで国外移住が困難だった領内のユダヤ教徒が大挙してイスラエルに移住していた時期でした。それで、エルサレムには、ヘブライ語の看板と同じぐらい、ロシア語の看板が溢れていました。中東のギラギラした日差しに照らされ、熱く乾いた風が吹きつけるのが、寒いロシアの言葉の看板です。どこの国にいるのかわからない、不思議な気分になりました。

 

旅の後半、イスラエル最南端、エジプトとヨルダンに挟まれ紅海(アカバ湾)に面したエイラットという町で、シュノーケリングをしました。紅海の透明度はすごくて、魚はカラフルかつサイズの大きいものが多く、ものすごく満足しました。ビーチでは、機関銃を枕にうたた寝している女性兵士を見かけました。透き通る青空・紺碧の海・輝く砂と、黒い機関銃・迷彩服のコントラストが強く印象に残っています。

 

旅の終わりに、お土産でユダヤ教の燭台を購入しました。あちらの燭台は、ちょっと変わっていて、横一列に何本もロウソクが立てられるようになっています。金属製で、7~9本立てられるものが多いようです。私は9本ものを購入し、日本で夜落ち着いた気分になりたい時に灯りをともし、好きな音楽を聴いたりしてしました。ただ、9本全部にロウソクを点けると、お互いの熱であっという間に溶けてしまうので、1本おきにしかロウソクを立てられませんでした。あと、溶けたロウが根元に溜まり、次に使うときにロウソクを立てにくいので、掃除が面倒でした。正しい使い方、どなたかご存じでしょうか。

 

出国時は、簡単な荷物検査ぐらいで済み、出国スタンプを押してもらい、無事帰国の途に着きました。

当時、イスラエルへの入国歴があると、近隣のアラブ諸国には入国できないルールがありました。近隣のアラブ諸国への入国後にイスラエルに入国することはOKだったはずで、逆はいいんだ、と思ったことを覚えています。そして、イスラエルに入国した後、ヨルダンなりシリアなりに行く予定があったり、行くかもしれない人は、イスラエルの入出国時に、パスポート以外の所定の用紙にスタンプを押してもらうことができました。

私は、ヨルダンなりシリアなりに自分が行くことはまずないだろうと思っていたので、普通にパスポートに入出国スタンプを押してもらいました。イスラエルの入出国スタンプなんて、そうそうもらえるものじゃないので、旅の思い出のひとつになりました。その後のパスポートの更新時に、せっかくイスラエルの入出国スタンプの押してあるパスポートを廃棄してしまいました。もったいないことではありますが、自分がイスラエルに行ったことには変わりがないので、まあいいか、という気持ちでいます。

 

なお、行く前あれだけ心配していた他国からのミサイル攻撃に遭うことはなく、市民の暴動などに出くわすこともなく、スリ・置き引き・ぼったくりなどに遭うこともなく、極めて平和に過ごせました。治安はとても良かったです。

 

続く

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