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海外の旅

海外の旅の話 その34 タブラオ


2024.01.19海外の旅


お次はスペイン。久しぶりのヨーロッパです。スペイン語はある程度できるので気楽だし、文化にもとても興味があるので、満を持しての出発です。パリ経由でマドリードに到着。しかし今回は盛りだくさんの旅のため、マドリードは一泊だけのほぼ素通り。マドリードさんごめんなさい。

 

翌朝、ホテル近くの喫茶店でカフェ・コン・レチェ(カフェオレ)とチュロスを頼みます。出てきました。たっぷりのカフェ・コン・レチェ。飲めるかな。ソーサーに少々コーヒーがこぼれていて、カップ側面にもコーヒーがついています。なんだかなぁ。砂糖が2袋付いてます。1袋で日本のスティックシュガーの2倍はありそう。こんなの全部入れてたら絶対太るよね、と思いつつ、半袋だけ入れて様子を見ます。それでもミルクたっぷりのせいか十分甘い。チュロスもしっかり甘い。砂糖半袋で正解でした。

 

喫茶店の床は、足の踏み場がないぐらいゴミだらけです。スペインでは、床が散らかっているお店ほど繁盛している、と言われています。まぁそうかもしれないけど、それは営業中のお店の見分け方であって、閉店後にゴミを片づけない理由にはならないんじゃないかな。あれ、でもこのお店終夜営業?なんて思いつつ、朝からスペインを強く感じます。出だしは順調です。

 

アンダルシア方面の列車のターミナルであるアトーチャ駅に向かい、切符売り場を探します。ユニバーサルデザインっていいですね。すぐ見つかりました。さっそくセビージャ行き特急の切符をゲット。入場口では荷物検査があります。ヨーロッパでは列車を標的にした爆弾テロもありますので、なるほど、と思いつつ改札を通過。列車が走り出します。やがて乾燥した大地へ。オリーブの木でしょうか、延々と続く丘陵地帯に、灰色の緑が並んでいます。思っていたとおりのスペインらしい風景です。

 

3時間ほどでセビージャに到着。ホテルに荷物を預けます。パティオ(中庭)は、名物のタイルで飾られています。白地にカラフルな文様を施したタイルは、アンダルシアの強い日差しに映えて美しい。身軽になったところで観光開始です。中世を感じさせる街並みをぶらぶら歩きます。街路樹はオレンジ。枝には実がたわわに実っています。食べてみたいのですが、誰も手を伸ばしていないので止めておきます。観光馬車から放たれる馬糞を踏まないように、散策を続けます。途中、ガスパチョというトマト味の冷製スープを食べました。暑いのでことさらに美味しく感じます。

 

夜はもちろんタブラオ。スペインと言えばフラメンコ、そのライブハウスがタブラオです。

 

フラメンコはもともと好きで、東京では行きつけのタブラオがありました。真冬でも赤シャツ1枚と赤ズボン、というギタリストが店長のそのタブラオは、店長自らが内装を作り込んでいて、日本で一番スペインっぽいと評されていました。私はそこのカウンターで、スペイン産の赤ワインを飲みながら、店員のスペイン人や踊り手たちと、よく夜遅くまでおしゃべりしていました。店員はアンダルシアのカディス出身の男の子で、合気道の修行のために来日した日本通。まだ日本語がたどたどしかったので、私とスペイン語で会話できるのが嬉しかったようです。歌舞伎町の居酒屋に連れて行って、二人で焼鳥を肴に日本酒を飲み交わしたこともあります。

 

たまに、別のタブラオに出演したスペイン人アーティストが、二次会的に流れて来て、ついでに踊ることもありました。日本人の踊り手さんたちがきっちり踊るのと比べると、スペイン人は雰囲気で踊る感じでしたが、顔や身体のインパクトもあって、迫力がありました。そういったこともあり、本場のタブラオで本場の踊りを観るのを楽しみにしていたわけです。

 

1軒目は、有名なロス・ガジョス。さすが本場、お店の雰囲気が素晴らしいです。踊りが始まります。踊りも良い雰囲気。何曲か終わって、踊り手が休憩を取るためか、ギタリストがソロを弾き始めます。静かに、しかしものすごい速弾き。どうも聴いたことがあります。思い出しました。アルベニス作のクラシックの名曲、アストゥリアスです。テンポが速すぎてすぐに気づきませんでした。音の粒がきれいに揃っていて、ものすごい速弾きのわりには、落ち着いた感じになっています。とても良いものを観させてもらいました。

 

翌日、2軒目のタブラオは、エル・アレナル。ロス・ガジョスより踊り手が若くてエネルギッシュな印象を受けました。かぶりつきで観たので、踊り手の汗が飛んできそうで、臨場感がすさまじいです。大満足のステージでした。

 

食事はもちろん、バル巡り。バルは「BAR」と書きますが、日本のバーとは異なり、タパスという小皿料理がすごく充実した立ち飲み屋です。タパスを頼んでワインを一杯、別のタパスを頼んでまたワインを一杯、という具合です。各お店に名物のタパスがあることが多く、各お店の名物タパスを食べ歩く=TAPEAR(タペアール)するのが、バル巡りです。みなさん食べ歩くのが前提なので、バルは近い距離にいくつもあります。

 

このシステム、日本人には向いていると思います。ヨーロッパのレストランで一人前の料理を頼むと、たいてい量が多過ぎるし、味が単調なこともままあるので、容易に食べ切ることができません。その点、タパスは小盛りなので、少食の女性でも問題ないし、何種類も頼めます。また、タパスはサッと出てくるので、待ち時間はほぼないです。カウンターに並んだタパスを指差して注文するスタイルなので、自分の好みの料理を選べるし、メニューを読まずに済みます。高級食材を用いたタパスでなければ、ワンコイン程度のお値段で、お財布にも優しいです。お酒が弱ければ、ワイン一杯だけでもいいですし、ソフトドリンクもあります。立ち飲みなので、腰を据えて飲む、という感じにはなりませんが、食べ過ぎ飲み過ぎを防ぐには、かえって都合が良いです。ガヤガヤした雰囲気が嫌いでなければ、最高です。

 

バルは何軒も巡り、タパスは何種類も食べたので、細かいことは覚えていませんが、何を食べても何を飲んでも美味しく、大満足でした。

 

 

続く

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