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海外の旅

海外の旅の話 その37 バルサ


2024.01.22海外の旅


前回分でスペイン編は終わりのつもりでしたが、大事なことを忘れていました。

サッカーのバルセロナ=バルサの試合を観に行ったのです。

 

施設見学のつもりでバルサのホームスタジアム、カンプノウに行ってみて、ダメ元でチケット売り場で聞いたら、運よくチケットが入手できたのです。これはラッキー。まあまあの値段だったと思いますが、転売屋から買うわけでもないので、正規料金なのでしょう。というよりお金には代えられないチャンスです。迷わず購入します。

 

開場時間になり、ドキドキしながら入場します。大人数が収容できるだけあって、観客席は高くそびえ立っており、傾斜がきつくなっています。購入できたのは、かなり後ろ寄りのシートでしたので、座ってピッチ方向を見下ろすと、ちょっと怖いぐらいの高度感です。階段でバランスを崩したら、数十メートル下まで滑落しそうです。スペイン人はそんなに座高が高くないはずですが、立って応援する人が多いなか、稀に座って観戦する人の視界を確保するべく、前後のシートの高低差を付けているのでしょうか。

 

当時のバルセロナには、ロナウジーニョを始めとして、あまりサッカーに詳しくない私でも知っているような有名な選手が多く所属していました。試合前の選手紹介がおおいに盛り上がっています。まあ勝つだろう、と思い、試合開始を待ちます。床は汚いです。

 

対戦相手はベティス。セビージャに本拠地を置くチームです。この日は、ローマ法王のヨハネパウロ2世が亡くなった直後の試合で、試合前に黙祷が捧げられました。カトリック教徒の多いスペインです。ほとんどの観客が黙祷を捧げます。しかし、一部のベティスサポーターが、無視してチャントを叫んでいます。黙祷中から、周囲の観客は、馬鹿野郎、黙れ、などとぶつぶつ文句を言っています。黙祷が終わった途端、沸き起こる大ブーイング。極めて騒然とした雰囲気の中、試合開始です。みなさんてんでに声を張り上げて応援します。熱量は感じますが、統率は取れていません。さすがスペインといった感じです。

 

こんな日に限って、アウェーのベティスが立て続けに2得点を奪います。しかもきれいな形で。高まるブーイング。ベティスサポーターの振る応援旗が、ホームの観客を煽ります。バルサ、PK1本を含めて2点を取ってなんとか追いつきます。しかしベティスがきれいな形で1点を奪い、突き放します。ホームチームの体たらくに、後半途中から席を立つ観客が続出。負けるところは見たくない、ということなのでしょうが、なんとももったいない。というか、最後まで応援しようという気にならないのかなぁ。

 

終了時間が近づくなか、バルサ、ホームアドバンテージの匂いのするPKをもらって、なんとか同点に追いつきます。やがてホイッスル。3対3のドロー。もやもやだけを残して試合が終了しました。スタジアムを後にするみなさん、沈んだ表情で最寄り駅に向かって歩いて行きます。デーゲームだったので、飲みに行く時間でもありません。みなさん、あの後、どうやって憂さを晴らしたのでしょうか。

 

バルサの試合を現地で生で観られただけでもラッキーでしたが、それに加えて、この試合を通じてスペイン人気質を存分に味わえました。海外でのスポーツ観戦は初めてでしたが、国民性を知るにはもってこいだと思いました。

 

ということで、スペイン編を終わります。

 

 

続く

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