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海外の旅

海外の旅の話 その40 ザッハトルテ


2025.04.18海外の旅


ウィーンは、ハプスブルク帝国の栄華の名残がそこかしこに見受けられる、由緒ある古の都で、音楽に限らず芸術全般の都です。

 

そんな古の都にいるわけですから、由緒あるカフェでスイーツも楽しまないと。

ということで、ウィーン発祥のチョコレートケーキ、ザッハトルテに挑みました。

 

挑む、という言葉を使いましたが、私、子どものころから、ケーキがあまり得意ではありません。生クリームが苦手なのです。カスタードクリームならなんとかいけますが、小ぶりのエクレアが関の山。大人になって、チーズケーキも食すようになりましたが、大きいものは食べ切れません。また、チョコレートは好きですが、大量には食べられません。

 

そんな私にとって、チョコレートケーキを食べにカフェに行く、ということは、ちょっとした冒険なわけです。

 

さて、どうせ行くなら本家本元のカフェ、その名も「ザッハー」に足を踏み入れます。赤い色調を基本としたお城の応接室のような豪華な内装。場違いな感じを抱きつつ注文。やがてザッハトルテの登場。・・巨大、そして激甘。普段チョコレートケーキを食べ慣れない私には、日本のチョコレートケーキとの違いがよくわかりませんが、食べ応えは十分過ぎるぐらい。お値段もサイズに相応しいもの。お金と胃袋と心にゆとりのある方向きの、ゴージャスなカフェでした。

 

ウィーン市内を散歩中、目に止まった文房具屋に入りました。画材がたくさんあり、ここが芸術の都であることを強く感じさせます。絵葉書の在庫もたくさんで、さすがです。

そしてなんと、私の大好きなパウル・クレーの絵葉書が大量にあるではないですか。私は、国内国外を問わず、美術館の売店でパウル・クレーの絵葉書を見つけては購入してきたのですが、その私の手持ちを優に超える数のパウル・クレーの絵葉書が並んでいます。なかにはあまりピンとこない絵柄もありましたが、ウィーンで買わなかったら次どこで出会えるかわかりません。結構な枚数を購入し、財布は心許なくなりましたが、心は弾みました。

 

美術館では、ウィーンのイメージが強いクリムトの絵を堪能しました。クリムト以外にも、世紀末的な画風の作品があり、伝統を尊重する京都みたいなイメージのウィーンにも、前衛芸術が盛んだった時期があったのだ、ということが新鮮でした。

建築物では、シュテファン大聖堂、シェーンブルン宮殿といった観光名所を回りました。シェーンブルン宮殿は庭園が有名ですが、こじんまりした日本庭園を好む私には、ちょっと広過ぎる気がしました。文化の違いですね。

 

食べ物では、ヴィーナーシュニッツェエル(ウィーン風カツレツ)を食べました。ヴィーナーシュニッツェエルは、日本のとんかつと比べて薄いのですが、面積的には非常に大きく、完食するのが大変でした。ビールの力をだいぶ借りたと思います。他の料理もですが、ウィーンでは一皿の量が非常に大きく、メイン一皿だけでも下手すると食べ切れません。それで、旅の途中から、空腹でなければサラダとスープだけ、といった注文をするようになりました。それで別に嫌な顔をされることもありませんでした。西洋料理=コース、という感覚は、日本独自のものなのかもしれません。

 

 

続く

 

 

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