台湾は、冒険の要素がなく気軽に行ける国、というイメージがあり、いつでも行けるだろう、と思ってなかなか行かないでいました。しかし、これだけ沖縄から近いんだし、一度は行かないとね、と思ったタイミングがあり、台湾に行くことにしました。
台湾は、東京からでも近いですが、那覇からだと1時間半程度で着きます。最初に行った当時住んでいた石垣島からはさらに近く、西方約200㎞の位置、沖縄本島までの約半分の距離です。しかし、石垣島からは直行の定期便がないため、いったん逆方向にある那覇に飛び、台北に飛び直す、という迂遠な行き方になります。トータルの移動時間がだいぶ長くなりますが、仕方ありません。
その後何回も台湾に行っており、どのタイミングでどこを訪れたのか、はっきり覚えていないため、順不同でエピソードを紹介させていただきます。
欧米では、台湾は「フォルモサ」とも呼ばれているそうです。16世紀に初めてポルトガル船が台湾沖を通ったとき、「ilha formosa」(美しい島)と呼んだのが由来だそうで、中国語では「美麗島」とも呼ばれるそうです。
17世紀にヨーロッパ諸国が台湾に進出するまで、台湾には先住民族が暮らしていたものの、統一的な国家はなく、中国大陸の諸王朝による支配も及んでいませんでした。17世紀と言えば、メイフラワー号で清教徒が北米に移民したのが1620年ですから、同じような時期です。
17世紀半ばに、漢人である鄭成功によって東寧王国が樹立され、その後清の支配を受けたことで、中国大陸からの漢人の移住が進みました。1895年に始まる日本統治を経て、1945年に中華民国政府の統治下に入り、現在に至るわけですが、この間わずか400年程度。現在の発展の度合いからすると、不思議な気もします。
前置きはこの程度で。
桃園国際空港から台北市内までは、MRTという鉄道での移動が便利です。空港でプリペイドカードを購入して券売機でチャージすれば、市内の地下鉄やバスでも使えます。台北市内は大量の人と車が行き交う大都会。東京と何ら変わりありません。台北に行っても海外旅行をしている感じがあまりしないのですが、日本との違いが小さいのが原因なのかなと思います。
台北の楽しみは、なんといってもグルメ。小籠包をはじめ、美味しい中華料理がどこでも堪能できます。高級店もいいですが、私の好みは、日本語の通じないローカルな食堂。人が食べているのを見て、あれください、と注文するスタイルです。思ったより辛かったりはしますが、地元民に人気の食べ物が美味しくなかったことはありません。ただ、夜市には、観光客目当ての味やコスパが悪いお店も見受けられます。注意が必要です。
台北市内の観光スポットだと、まずは故宮博物館ですね。天然石でできた豚の角煮や白菜の彫刻作品が有名ですが、もちろんそれ以外にも多くの美術品があります。台北で一番古い龍山寺も、日本のお寺と違ってやたら派手で異国情緒が溢れています。地元民も多く訪れて活気があるのも、日本とは違います。現代的なところだと、超高層ビルの台北101ですね。日本の大手ゼネコンが建設していますが、あの地震の多い台湾で、よく101階もあるビルを建てる気になったな、と感心します。地震や台風のとき、最上階にいたら、どれだけ揺れるのでしょう。
街歩きだと、迪化街が好きです。レトロな雰囲気の問屋街で、漢方薬や乾物、お茶などが売っています。ホタテの貝柱とかを大量に買いたい人には良いのでしょうが、私はあまりお土産を買うタイプではないので、散策専門です。古い建物をリノベーションしたお洒落なカフェもあり、くつろぐのに最適です。
台北の郊外だと、やはり九份ですね。趣があります。混雑しているのが難点なので、ちょっと遅めの時間か、早朝に行くといいかもしれません。
個人的には、ハイキングもお勧めです。台北市内から地下鉄やバスで1~2時間もあれば登山口にアクセスできますし、2~3時間のコースがいくつもあるので、手軽に楽しめます。なかでも陽明山が有名で、コースもいくつかありますが、私は七星山に登りました。眺めが良く、南の台北市街も、東の基隆方面の海岸も見えて、最高でした。
あと、有名かどうかはわかりませんが、軍艦岩というコースも良かったです。文字通り、軍艦の舳先のような形をした岩が、山頂に忽然と姿を現します。最短距離の往復コースもいいですが、周回コースが楽しかったです。日本人が珍しいのでしょう、驚いた目でこちらを見る地元のハイカーが何名かいました。
私がハイキングをしたのは、いずれも真夏の週末でしたが、結構な数の人たちが出かけてきていました。なかには、普通の半パンやサンダルといった、近所に買い物に来たぐらいの恰好で歩いている人もいました。台北の人たちにとって、ハイキングは身近なレジャーなのでしょう。それにしても台湾の人はバイタリティがありますね。
街歩きにしても、ハイキングにしても、まあまあ疲れます。そんなとき、足つぼマッサージを受けます。日本の足つぼマッサージと比べると、いっさい手加減がなく、痛いです。施術中は頑張って耐え、施術後ぐったりすることもありますが、その分効くように感じます。
カッピング、沖縄で言うぶーぶー、も試してみました。背中や肩などのターゲットとなる複数の部位に、針でちょんちょんっと傷をつけ、球体の一部がカットされた形状のガラス製の器具を熱して装着し、気圧の差を使って悪い血を吸い出す、というものです。代謝を良くする効果があるようですが、器具を装着した部分が丸く痣になります。健康な人はすぐ痣が消えるそうですが、私の場合、よほど不健康だったのか、1カ月以上痣が残りました。人に見せる部位ではないにせよ、背骨に沿っていくつも痣が並んだので、まあ1回でいいかな、というのが感想です。効果はよくわかりませんでした。
続く